イタリア料理  テラウチ

イタリアン!というと、「女性の大好物」みたいに言い切っても異論はないでしょう。イタリアンレストランで過ごしている男性はたいてい借りてきた猫状態。彼女にせがまれ、「クラシコ」だの「濱崎」だの「キオラ」だのと、せっせと電話をかけなければなりません。

そんな男性陣。モテる人ほど、いや愛すべき女性がいる人ほど、実に多くのイタリアンレストランをご存知です。ところが、そんな同輩に「どうだった?」と聞くと、ほとんどの答えは「もの足りん!」「腹いっぱいにならん!」「もっとガツンと食いたかった・・・」。

つまりニッポンのイタリアンは、前菜、パスタ/ピザまでのバリエーション・創造力は世界屈指なんですが、そこで息切れしてしまい、セコンドピアットつまりメインデッシュはごくごく少量で形ばかり。後はドルチェに期待してね。とまあこんな流れなんですね。

また、薄いカルパッチョを一枚一枚すくったり、不器用にスパゲティをフォークに絡めたりするのも、男達にとっては避けて通りたい場面。一方、血の滴る巨大な肉にぐさっとナイフを入れ、一気に口へ放り込んで咀嚼する。そんな一連の動作にこそ男の色気が発揮されるはずですが、いかんせん女性のみをターゲットにしたニッポンのイタリアンでは、ほとんどそんなチャンスに恵まれません。

そこで今回登場するのが「イタリア料理 テラウチ」
誤解を恐れず言うなら、ここはイタリア式炭火焼肉店であります。男達が待望久しかった、懇願していた重く分厚いメインデッシュが最大の特徴なのです。

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もちろん、タコのマリネ・魚介のフリットなどの前菜もあるし、パスタも目移りするほど多数揃っています。でも、もしあなたが「イタリア料理 テラウチ」を選んだなら、前菜には野菜の炭火焼、そしてメインには、日本で食べられるほとんどすべての肉がラインナップされた炭火焼を数種。この二つに的を絞ってみてください。

まずは野菜の炭火焼。強い火で表面を真っ黒にし、中にしっかりと野菜の甘みを閉じ込めてあります。上にさっとかけられたオリーブオイルのフレッシュな香りが、シンプルに焼かれた野菜と絶妙にマッチング。私たちには、野菜をローストして食べる習慣があまりないので、焼野菜の魅力を改めて知ることができます。

続いて肉肉肉。
特に今は、動物が体に栄養分を蓄えて一番美味しくなるシーズン。牛・豚・鶏から、鴨・雉・猪に至るまで、肉という肉はすべて炭火焼のメニューに並んでいます。ただ「イタリア料理 テラウチ」では、あえて牛肉をおすすめしたいと思います。

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「ついこの前「叙々苑」で焼肉食べたばっかだから他の物にするよ」ではないですが、特にフレンチやイタリアンでは、牛肉をパスする人も多いようです(実はわたしもそのひとり)。

ところが「イタリア料理 テラウチ」の牛肉は、いわゆるサシがいっぱい入った焼肉屋のカルビとは異なり、サシを落としてじっくり熟成させた、文字通り「獣」が体感できる野性味十分のタフさ。

ソースも余分な調味料も必要とせず、焼き上げるとき適度に振られた塩と自ら溢れさせる脂だけで、数百グラムの牛肉もあっという間に皿からなくなってしまうのです。

牛肉のあとはもう一品。握りこぶし大の岩石のような鴨肉や先程の写真でご覧いただいたわらじを思わせるチキン。みな同じように炭火で素直に焼かれた状態ながら、肉によって、また同じ動物でもその部位によって、こんなに深く濃くそしてなまめかしく味わいが異なるのには瞠目です。

本来女性の牙城だったイタリアンレストランで、一心不乱に肉を食らう男達の野蛮な楽しみがここに実現するのです。さいわいこの「イタリア料理 テラウチ」、賑わいの衰えない六本木ヒルズとは首都高速を隔てて真反対側。さほど人通りも多くない星条旗通り沿いに位置し、男達がドヤドヤとレストランに入っても決して気後れすることはありません。

というより、看板こそ「Ristorante Terauchi」で、記憶ではオープン当初リストランテと「よそ行き」の呼び名を採用していましたが、最近では名刺やガイドブック等での正式表記が「イタリア料理 テラウチ」と質実剛健な日本語になっており、それこそお店の側でも男性歓迎!と銘打っているような気がしてならないのです。

■イタリア料理 テラウチ■
東京都港区西麻布1-4-7
TEL/FAX 03-5414-1808 日曜・第三月曜休み

12:00~14:00(ラストオーダー ただし土・祝日のみ)
18:00~23:00(ラストオーダー)
ご予算:10,000円~/一人

2003年12月25日